たまにプールに行く。
50メートルも泳ぐと息があがり、休憩。
プールサイドに肘をかけてじっとしていると、風呂に入っているみたいな気分になる。
もう少しがんばれ、俺。
これがだるまで、
これが、だるま弁当。
群馬県高崎名物の駅弁だ。
前回公演の中で、このだるま弁当を小ネタ的に使った。
なんとなくでいい。「ああ、そういえばあったね」くらいの知名度があれば。僕は、だるま弁当のことを大方の人が知っている前提で台本に書いた。
稽古中、自分を除いた7人の出演者のうち、6人が知らないと答えた。
・・・焦った。
僕が想定した答えはこれだ。「ああ、高崎かなんかの駅弁でしたっけ?あれ、たしか食べ終わったら貯金箱に使えるんですよね?アハハ、誰も使わねえっす」
それが、「知らないっす」の一言だ。
たまたま稽古場に来ていたスタッフさんに聞いた。
「だるま弁当、知ってるよね!?」
「はい、まあ・・・」
「だよね!」
もし知らないと答えたら「何にも知らねえな!」と毒づくところだった。毒づけば、屈強なスタッフのこと。殴られたと思う。
何にも知らないのは自分だった。
みんなが知っていると信じて疑わなかった自分が甘々だったとしか言いようがない。
なんで知ってたのかな、俺・・・
群馬県の水上温泉に行ったことがあるから、その道中か・・・
共有できると思っていたものが、できないと分かったとき、けっこうショックだ。思い込みというのは怖ろしい。
だるま弁当、中身も美味しいよ!